今回の記事は、長野県は渋温泉にある「太陽館 ヤマト屋」宿泊記。
長野県は北部にある渋温泉。
1300年も前に行基により発見されたと言われている、長野県随一の歴史ある温泉郷です。
その長い歴史から、数々の偉人、著名人に愛されてきた、正真正銘の名湯。
今回はそんな、ヒストリカルな背景の詰まった渋温泉に位置する、「太陽館 ヤマト屋」に宿泊。
渋の源泉かけ流し、女将さんの雰囲気もよく、居心地のいい、何度でも泊まりたくなるような旅館でした。
その名の通り、渋い空気の、鄙びた、どこか懐かしいような、そんな温泉をご紹介いたします。
- 太陽館 ヤマト屋について
- 全室リバービュー!『和室10畳』のお部屋
- 源泉かけ流しの天然温泉を堪能!
- 料理も美味しい!太陽館ヤマト屋の食事。
- 『太陽館 ヤマト屋』へのアクセス、駐車場
- 渋温泉に泊まったらここへ行くべし!周辺おすすめ観光地。
- 『太陽館 ヤマト屋』まとめ
- さいごに
太陽館 ヤマト屋について
この旅館は横湯川のほとりに建っている全12室の小規模旅館。
ですが、創業から230年以上経過するの正真正銘の老舗旅館。
近年リニューアルされており、非常に綺麗な清潔感のある館内と歴史のある街並みが絶妙なコントラストを奏でます。
渋温泉の街中からは離れた立地で、人間の喧噪からは離れた、川のせせらぎの中で心を休めることのできる、なんともいえない風流な旅館です。
なお今の時期気になる感染症対策について。
チェックイン時は検温、アルコール消毒必須。体調不良かどうかも口頭で質問されます。
私達が行ったときは(人がまだ少なかったため)特に温泉の人数制限などは行っておりませんでしたが、
現在は共用施設の利用時、人数制限や時間制限などを設けているそうです。
感染症対策もしっかりと行っている旅館です。
全室リバービュー!『和室10畳』のお部屋
今回予約したのは、眺めの良い『和室10畳』のお部屋。
ここの旅館は全てのお部屋から横湯川を眺めることができます。
全室リバービューなのです。
お部屋はほどよい広さで、2人で宿泊するのにちょうどいい広さ。
インテリアもThe旅館といった雰囲気で、畳も新しく、壁や襖や障子にも汚れがなく、
非常に清潔できれいなお部屋でした。
リニューアルされており、老舗旅館だなんて言われないと気付かないくらい。
そしてやっぱり目を引くのは窓の外の景色。
絶景!とはいきませんが、川の流れと温泉街のゆるっとした雰囲気が眺められ、
温泉街に来たなという気分満点。そういう意味で、悪くない景色です。
ゆったりするにはちょうどいいくらいですかね。
そしてお部屋についているお菓子。これは結構大事ですよ。
この旅館はくるみゆべしと、野沢菜のお漬物。(お漬物はちょっと食べちゃいました)
長野らしくていいおもてなしですね。超大量生産のお菓子ではなさそうで、好印象。
実際味もよいです。
ちなみに旅館でお部屋においてあるお菓子。これ実は名前があり、「お着きお菓子」と呼ばれるようです。
あとここの特徴は、浴衣の他に作務衣の用意もあること。
上下別れている、甚平に似た和服ですね。
浴衣より動きやすくて、個人的にはうれしいアメニティです。
源泉かけ流しの天然温泉を堪能!
ここのお湯は源泉かけ流し。
とはいえ、渋温泉の源泉は59~98度もあり非常に高温。
地下水を利用して温度を下げ、適温に調節しています。(加水ではありません)
ですので入るタイミングによって、温度にばらつきがあったりしますが、それも「天然温泉」らしくてよきです。
温泉は単純泉で、非常に肌当たりのいいなめらかなお湯です。
濃い温泉!という感じではなく、非常にさらっとした、ともすると温泉とも思われないような雰囲気さえありますが、入浴しているとこの温泉の実力がわかります。
だんだんだんだんお肌がつるつるになってくるのがわかる!
体もじんわりあたたかくなってきて、ぽかぽか。いつの間にか疲れも取れているようです。
The温泉!という、例えば硫黄泉の乳白色の湯など、分かりやすい温泉成分を求める方には少し物足りない温泉かなとは思いますが、
古くからの名湯という雰囲気があって、万人に受け入れられるような温泉です。
効能は、太陽館ヤマト屋公式HPからの抜粋によると、
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔症、冷え性、
病後の回復、疲労回復、健康増進
など。
ちなみにここは大浴場と露天風呂の2種類あります。
露店風呂は少し狭いですが、風が心地よい。浴場は少しだけ古いような感じもありますが、よく掃除されており清潔感があり、嫌な感じは全くありません。
洗い場も広く、距離をとれて好印象です。
料理も美味しい!太陽館ヤマト屋の食事。
今回は2泊しましたので、2泊分の夕食、朝食をご紹介させていただきます。
ここのお料理は味も無難に美味しく、量も十分で満足できる食事でした。
お食事はなんと個室の食事処!
プライベートな空間で安心して食事を楽しむことができます。
(今回特に希望したわけではありませんでしたが、宿泊者全員個室なのかどうかはわかりかねます)
夕食:1日目
品数が多く豪勢です。ごはんと汁ものは別で来ます。
メインは信州牛の瓦焼き。
どれもこれも非常に端正な味付けで、外さないお味だなという印象。
特に美味しかったのは信州サーモンのお刺身!新鮮で、脂っこくなく、サーモンの味が濃厚で非常に美味しいです。
海外産のサーモンのようなとろけるやわらかい食感とは違って、非常に身がしっかりしておりぶりんぶりん。歯ざわりも良い。
海外産のサーモンも好きなんですが笑、信州のサーモンはまた違う味わいで美味しい。


ちなみに右側の白い器と、左上の赤い器。蕎麦とうなぎでした。
これは正直普通かなと。
でも信州の名産品を提供する心意気はいいですね。
あとはメインの信州牛も美味しかったです。
かなり歯ごたえのある、厚みのあるお肉。
脂肪分が少なく、もたれることなく、赤身のお肉の旨味を十分味わうことができます。
瓦焼きというのも風情があってより美味しさを引き出してくれています。
食事は食材自体の味も大切ですが、お皿などの雰囲気も大事。
夕食:2日目
2日目は1日目とは全く異なるラインナップ。ごそっと変えてくださるので、連泊している身としては非常にありがたい。
この日のメインは信州牛のすきやき。
特に美味しかったのは、断然、右上の器に入っているもの!
しかし写真を撮り忘れる痛恨のミス!
あの器の中には、カレイの煮つけの上に蕎麦が乗っかっている、蕎麦蒸し?のような料理でした。
正直そんな料理見たことも食べたこともなくて、ちょっと恐る恐る食べましたが、カレイの優しい出汁と、お蕎麦が絡むと意外と美味しい。
ビジュアルにも味にも驚き。
女将さん(若女将さんかも)に聞いたところ、これは創作料理ではなく長野県では結構ポピュラーな料理のようで、あまり外食などでは食べない、いわゆる「田舎料理」なのだそう。
そういう家庭でしか作られないような田舎料理ってなかなか食べる機会がないので、嬉しい発見となりました。
あとはやっぱりすきやきが美味しい。
ほどよくさしが入っていて、すきやきのタレの味付けも絶妙。
やっぱり日本の和牛には日本の調理法、味付けが合うなぁと心底思います。
ごちそうさまでした!
味は平均的に美味しくて、非常に満腹感があります。
ただ、例えば天ぷらとか焼き魚とかは少し冷めていたので、多少しょうがないこととは言え温かかったらなおよかったかな。客との接触機会を減らしているのでそうなっているかもしれません。
でも何より、お夕飯のメニューが1日目と2日目で全く変わっていたことに個人的には感激しました。
朝食:1日目
朝食はシンプルな和朝食。朝に程よい量。
トマトが以外と美味しかったです、少し甘めの味付けで生姜がほんのり香って。
朝食:2日目
この日は和洋折衷。シンプルな朝食ですね。
ナスが美味しかったですが、全体的に普通の朝食。
朝食は良くも悪くも普通です。
普通に美味しいですし、朝食らしい量。
番外編:名物「夜食の焼きおにぎり」
ここの一番の名物。それは「夜食の焼きおにぎり」。
有料サービスで1人前600円。当日の夜20時までオーダーを受け付けています。
焼きおにぎりの香ばしさが食欲を誘い、お夜食に非常にちょうどいい。
大量の漬物もついてくるので満足度も高いのです。
何よりも、なんだか気持ちがこもっているような、ノスタルジックな気持ちになるような、そんなおにぎりで、幼少期を思い出すようなあたたかさを感じます。
是非宿泊の際はご賞味くださいませ!
『太陽館 ヤマト屋』へのアクセス、駐車場
アクセス
太陽館ヤマト屋の場所はこちら↓
横湯川沿いに位置しており、ホテル前の道は川沿いの道。非常に狭いです。
そこから旅館からの送迎バスもあるようです。(要予約)
駐車場について
駐車場はありますが、バレーパーキングスタイルでした。
到着したらまずは玄関に止めましょう。係りの方が駐車してくださいます。
因みに駐車場の場所は本館から二つ隣の建物。
駐車場は狭く縦列に駐車してあります。車でお出かけの際は都度旅館の方を呼びましょう。
私達は人に自分の車を運転されたくないため、旅館の方に相談して自分で奥の方に駐車させてもらいました。
お金がかかってもいいのであれば、隣に公共駐車場もありますので、頻繁に出し入れする方はそちらでもいいかも。
渋温泉中心部の旅館だと道も狭く車、人通りも多いため、こちらの方がまだ余裕を持ってアクセスできると思います。こちらも道は狭いですが、車通りがほとんどありません。
渋温泉に泊まったらここへ行くべし!周辺おすすめ観光地。
渋温泉に宿泊してただただゆっくりするというのも最高の贅沢。
しかし渋温泉、及びその周辺には魅力的な観光地がたくさんあります!
周辺で観光可能な場所を3カ所を軽くご紹介させていただきます!
渋温泉街/九湯めぐり
渋温泉の温泉街。旅館からは徒歩5分程度です。
ここのおすすめは何と言っても「九湯めぐり」!
この温泉街には、渋温泉に宿泊した人や地元住民しか入れない九つの外湯があります。
9つの湯はそれぞれ源泉や効能が異なっており、それぞれに特徴があるのです。
是非、全ての温泉に入浴してみてくださいね。
その他、温泉まんじゅうなどの名物もあって、そぞろ歩きも楽しい場所です。
地獄谷野猿公苑
「温泉につかる猿」で有名な野猿公苑です。
入園すると、たくさんのニホンザルたちがお出迎えしてくれます。
さすがに夏は遅いので入浴するお猿さんはおりませんが。笑
自由なお猿さんを眺められて癒されますよ~
北志賀高原
渋温泉から車で20~30分ほどの場所にある高原。
ロープウェイが運航されており、冬はスキー場としても運営されているようですね。
北志賀高原からの景色!風が吹きぬけて非常に気持ちいい場所です。
たまには高原に行ってみると気分転換になりますよ。
なおこれらの観光地についてはさらに別途以下の記事でも詳しくご紹介していますので、是非参考にして下さいね。
『太陽館 ヤマト屋』まとめ
清潔感:10.0
⇒非常に清潔感があり、よく清掃されている
新しさ:8.0
⇒古臭さがなく、非常に新しい施設
食事:8.0
⇒全体的に無難に美味しい
温泉:9.0
⇒源泉かけ流しでほどよい泉質
スタッフ:10.0
⇒ちょうどいい接客
コストパフォーマンス:7.0
⇒高すぎることは全くないが、安いとは言えない
総評:8.6
全体的にクオリティの高い旅館です。
ただし価格はその分安いとは言えない値段。高すぎるという意味ではなく、値段に見合っている、という意味です。
全体的に非常に満足のいく施設です。
今回の宿泊データ
宿泊時期:2020年7月下旬に2泊
部屋:眺めの良い「和室10畳」
値段:79,500円(1部屋2名2泊) ※GoToキャンペーン利用で実質51,675円
※2021年5月現在、Gotoトラベルは適用を停止しています。
食事:朝夕あり
駐車場:あり(無料)
予約方法:じゃらん(オンライン予約)
温泉の様子などの詳細な情報は公式HPも見てみてね↓
さいごに
古き良き温泉郷にある老舗旅館、太陽館ヤマト屋。
その温泉の泉質も去ることながら、若女将さんの人々を自然と笑顔にしてくれる接客。
つかず離れずの程よい距離感。
非常に過ごしやすい、リラックスできる旅館でした。
食事面でも、非常に満足できるステイとなりました。
安いお値段の旅館とは言えませんが、そのクオリティに納得できるはず。
是非、渋温泉にお越しの際は、太陽館ヤマト屋に宿泊してみてくださいね。